塚原重義が原作・脚本・監督を務める『クラユカバ』。その『クラユカバ』のスピンオフ作品として、成田良悟をシナリオ原案に迎え制作された映画『クラメルカガリ』が4月12日に2作品同時公開された。そして本日、『クラメルカガリ』の主題歌である「僕らの箱庭」を歌うオーイシマサヨシが登壇した公開記念 2 週目舞台挨拶がテアトル新宿にて行われた。
拍手の中登壇したオーイシに早速『クラメルカガリ』の第一印象について聞くと、世界観の濃さと深さに驚いたことを明かし、制作にあたり監督が全キャラクターの声を務めたビデオコンテを観て「監督自ら声をいれているのは初めての体験だった」とこちらも驚きの様子。それもあり最初カガリが女の子だと気づかなかったと振り返った。
そして、話題は「僕らの箱庭」へ。制作にあたってオーイシは「『クラメルカガリ』を観たときに世界観があまりにも濃く、61分の映像が2時間弱くらいに内容が濃縮されていると感じた」と話した。その視聴体験から主題歌を聴いて世界観を想像した上で、映画を観て内容を深く知ってもらう、そういった役割の主題歌が良いのではないかと考え、「映画のパンフレットみたいな主題歌ってどうだろう?」という思いが生まれ制作に着手。そして、自身のライブや映画の予告編などが入口となって映画館に足を運んでもらうきっかけになるような主題歌性を考えて制作したと紹介した。
監督に出来上がった楽曲についての印象を聞くと「最初に曲を聴いたときは、なんて爽やかで良い曲なんだろう。作品に合うかな?」と心配になった時もあったという。その後、映像と楽曲が合わさった完成した予告編を観て「『クラメルカガリ』という作品のステージがひとつ上がったと感じた」と話すと、オーイシは「嬉しいっ!」と笑顔を見せた。さらに、監督は本編のエンディングに楽曲が流れると「元気な曲なのにホロリとする。主人公たちや登場人物たちと物語を振り返っているような気がした」と違った印象になると話した。
オーイシに好きなキャラクターやシーンについて質問すると、細い道などを行き来して地図を描く仕事をしているユウヤのセリフを挙げ、体が大きくなるにつれてその道に入れなくなったと示唆するセリフがあり「ユウヤ自身が炭鉱を出ていく、箱庭を出ていこうとする描写に繋がっているのが気持ちよく、気が利いていて、セリフひとつとっても好きなシーンです」と紹介した。
最後にオーイシから「自分のライブで『僕らの箱庭』を歌って『クラメルカガリ』の“闇”を広げていこうかなと思っていますので、これからもよろしくお願いいたします。」とメッセージが贈られ舞台挨拶は終演となった。